“Mission with Spirit” 聖書を土台に、福音を宣べ伝え人に尽くす。

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専門学校三育学院カレッジ ホーム > 新着情報一覧 > [全学共通] 2018年3月4日 15:25

新着情報 記事詳細

全学共通

2017年度卒業式が挙行されました

15:25 UP

 朝から晴れ渡り、4月初旬並みの暖かさとなった3月4日、第7回三育学院大学、第67回三育学院カレッジ卒業式が執り行われました。
 看護学部看護学科46名、カレッジ神学科7名、カレッジ教育学科1名、合計54名が新たな一歩を踏み出すべく、大多喜の丘から旅立ちます。皆さまのこれからの歩みに、主の豊かな祝福とお導きを心よりお祈りいたします。

学長式辞をご紹介します。



 卒業生の皆様、ご家族、保護者、そしてご友人の皆様おめでとうございます。また、お忙しい中ご出席下さいましたご来賓の皆様に、心より御礼申し上げます。
 卒業生の皆様は、4年間、3年間、2年間あるいは1年間のコースを三育学院で学ばれました。先週行われた学生Bible Weekでは、何人かの学生さんがその学びを振り返り経験を語ってくれました。学生、教職員はこの学生Bible Weekを楽しみにしています。そこには、深く共感できるものがあり、また心に触れる物語、感動があるからです。

 その一部をご紹介致します。
 看護学生は、大多喜と実習病院がある東京で学びます。きらびやかな東京に比べて、何もない大多喜が思い出深いと話されました。物やお金ではなく、友人がいることを経験した。話しを聞いてくれたり、励ましてくれたり、共に祈ってくれる友人がいるという経験。対話を通して、友人がいるという意味や手応えに出会ったのです。ある学生は、これに関連した別な話をされました。
 三育学院に入学して、「先生、先輩がやさしすぎるというとまどい」があったそうです。一人でいたいと思って散歩をしていても誰かが声をかけてくれる。はじめは、「うっとうしい」とさえ思ったそうです。しかし、大変なときにいっしょに考え、祈ってくる友人がいて助けられた。そうした経験をする内に、「うっとうしい」が「うれしい」に変わったというのです。それを感謝をしている。自分もそのように誰かの役に立ちたいと考えていると話されました。
 話しかけ、また話しを聞いてくれて、あるいは祈ってくれるそんな友人がいる。そこには対話が存在します。思い起こしてみれば、わたしたちは誰しも、友人、あるいは家族、教職員、様々な人たちが語りかけてくれた経験、あるいは自分の思いをぶつけるそのような対話の経験を通して、希望や勇気、安心、励ましを受け取ってきたのではないでしょうか。聖書の詩編にある言葉をご紹介致します。
式次第と共に別刷りでお渡ししております。詩編記者は、このように記しています。

「いかに幸いなことでしょう あなたによって勇気を出し 心に広い道を見ている人は。」詩編 84:6

 聖書には、驚く程たくさんの対話が描かれています。神と人、そして人と人との対話です。孤独を感じ、挫折した人間が勇気をとりもどし、心に新たなビジョン、進むべき道を見いだして歩み出す姿が描かれています。聖書を読みますと、そのような物語が、わたしたちの経験と重なり、勇気や励ましを経験することができます。
卒業生の皆様の多くは、看護師、保健師、牧師、教師という職業に就きます。人と関わる仕事です。プライベートな生活と共にプロフェッショナルとして過ごす日々においても人と向き合い、対話をするのであります。対話なしには成り立たない職業であります。たとえ別な仕事であっても様々な状況の中で私たちは、対話をするでありましょう。

想像してみてください。病床の患者さんが、あなたとの対話によって、勇気を得、励ましや安心を得る姿を。
想像してみてください。子供たちが、先生の語りかけによって目を輝かし学ぶ姿を。
想像してみてください。聖書の言葉を解き明かし、それによって新しい思いを持ち、新たな一歩を踏み出す人々の姿を。

 対話を大切にしてください。言葉を大切に生きてください。マルティン・ブーバーという哲学者の言葉を紹介します。

「われーなんじという根源語は、全人格を傾倒してはじめて語ることができる。」

 言葉を交わす、対話している相手に、不特定多数の一人としてではなく、名前をもち、喜び、悲しみ、悩む繊細なそして豊かな心を持つ、決して誰かと置き換えることの出来ない、かけがえのないひとりとして向き合う。たいせつな一人として向き合い、言葉を交わす、それがブーバーのいう「われーなんじの関係」です。ブーバーは、こうした関係と対比してあるいは対極にある関係として「われーそれ」という表現を使っています。
 対話を通して、皆様がかけがえのない経験、勇気や慰め、励まし、希望を経験した事を思い起こして対話を大切に、是非とも大切にしていただきたいのです。対話は、相互関係です。対話を通して患者さんが勇気を得、希望を持てば、それは看護をするあなたにとっても勇気を得、希望を持つ経験なのです。

 聖書に「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」(ローマの信徒への手紙12:15)という言葉があります。人格を大切にした対話、それは祝福に満ちた経験であります。
 聖書には、全人格を傾倒して語られた豊かな、そして暖かい言葉が満ちています。聖書をときに開き、また聖書の言葉が語られる教会に出席をお勧めします。そこで私たちは、豊かな語りかけを経験するからであります。

 皆様は、これから学位記、また卒業証書を受け取ろうとしています。卒業の日を迎えるまで様々な苦労を経験されたことでしょう。卒業するのは簡単ではありません。皆様ががんばった証として卒業証書、学位記を受け取るのです。皆様、はほんとうによくがんばりました。
 同時に、皆様を支えてこられたご家族や友人、いろいろな人たちの応援を受けて、今日の日を迎えられたことを思い起こしてください。卒業式は、皆様を支えてくださったご家族や良き仲間に感謝するときであり、またその喜びを分かち合うすばらしい日であります。

 卒業生おひとりおひとりの前途に神の祝福をお祈り致します。

三育学院大学学長・三育学院カレッジ校長
東出 克己