専門学校三育学院カレッジ ホーム > 新着情報一覧 > [全学共通] 2016年4月18日 7:40
大学の学びへの移行
7:40 UP
新年度が本格的にスタートし、学修センターでの活動も始まりました。
学修センターは、高校までの学習から大学への学修への「移行(transition)」をサポートし、2年次以降の専門的な学びへの「移行(transition)」に適応できるようサポートすることを目的として、過去2年の試行錯誤の取り組みの経験を基に、3年目の取り組みを開始しました。
《第1回目プログラム》
11日(月)の第1回目のプログラムは、看護学科長 後藤佳子先生とカレッジ 長谷川徹先生により「看護師をめざすための基本的な学修の姿勢」について、また「神学科生の学修のミッションは自分の知識の欠落に気づき、人にわかりやすく伝えること」であるとして非常に簡潔にためになるお話をしてくださいました。
メモを取る学生の姿も見られ、集中して聞く姿勢が全体的な雰囲気としてあったように思います。その成果もあり、月曜日は看護1年生は多い学生で、必修のコマ数の多い長い1日だったにも関わらず、「勉強しなきゃ~」という雰囲気で満ちていました。
「(1日が)長い..」と疲れた様子で漏らしている学生もいましたが、スケジュールの管理や体力の管理などで、まだ大学生としての構えが出来ていない学生の様子も把握することができました。2時間分の(自己・協同)学修課題を持参して、早速グループで課題を進めている姿があちこちで見られました。
《スタディ・スキル:再話》
13日(水)は「スタディ・スキル:再話」と題して、アドミッション・オフィスより学修センターでの返却を依頼された入学前課題を用いて、最も印象に残った本を1冊選び、同じ本を選んだ人同士で4~5人のグループを作って、読んだことをディスカッションする時間を持ちました。
今回の活動の意図は、
1.入学前課題を本来の大学での学びに生かしてもらうという意図
2.1人で行った読書体験を、仲間と再び体験し、読みの理解を深め合う
3.「再話」という読解力・思考力を高める学び方の1つを体験し、それを今後のスタディ・スキルに生かしてもらう事などにありました。
「再話」というのは、英語でretelling(直訳:再び話す)といってアメリカの小・中学校の国語の時間に読解力を高めるティーチング(ラーニング)の方法として始まったもので、「読んだ内容を見ずに、誰かに(わかりやすく要点を)話す」という方法です。つまり、「話す要約」です。僭越ながら、「再話」は私の修論の研究テーマでした。
再話(retelling) の効果は、読解力を高めるだけでなく、思考力、批判的分析力、コミュニケーション力など様々におよぶ効果があることが研究で実証されています。
ディスカッションの手順は次のようなものでした。
看護の学生は、①なぜその課題図書を選んだのか?(以下は看護・神学科生共通)②読んだ内容の要約を一言で述べる、③感想や意見の交換をする、でした。10分ほどのディスカッションの後、全体で分かち合いをしました。以下が学生のコメントです。
看護の学生:
「相手の(再話)を聞いて、理解の度合いがわかった」
「自分とは違うしっかりとした意見を持っていて感心した」
「〈同じ本を読んでいても〉拾うポイントが違うことが興味深かった」
「(脳死の本を読んで)ドナー登録しました!」
カレッジの学生:
「こうやって短い限られた時間で、要約して話すという体験は初めて。」
「要約することは難しいですが、これがサッとできるようになったら、自分の勉強が変わると思った」
などのコメントが聞かれ、こちらが具体的に説明せずとも、「再話の意義や効果」をきちんと捉えてくれていることが伝わりました。
最後に、黙読(個人の体験)したことを、自分以外の仲間と共有すること(協同的体験)ことで、理解が深まり、視野が広がり、クリティカル・シンキングが可能になり、行動にまで影響を及ぼした例もあった、だからこれを今後の学修法の1つの参考にするようにというまとめをして終わりました。