“Mission with Spirit” 聖書を土台に、福音を宣べ伝え人に尽くす。

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専門学校三育学院カレッジ ホーム > 新着情報一覧 > [全学共通] 2016年4月4日 18:52

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全学共通

2016年度入学式 学長式辞

18:52 UP

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「わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです。」 新約聖書コリントの信徒への手紙二 4章18節 (新共同訳聖書)

 2016年度入学式にあたり新入生の皆様、そして保護者、ご家族の皆様に心からお祝いを申し上げます。

 新入生の皆様は、美しい自然に囲まれたキャンパスでこれから数年間の学修を始めようとしています。そして、お一人お一人が目指すものを持っていると思います。看護師あるいは保健師という医療における専門職を目指している人、牧師になる、あるいは三育教育を学ぶという目標を持って三育学院に来られた人もいます。学部、学科によって学ぶ内容は異なりますが、新入生の皆様に共通して学んで頂きたいものをわたしたちは、一つの言葉で表現しています。それは、Do for Othersという三育学院のビジョンです。Do for Othersとは、「他者のために行動する」という意味であります。これは本学が、教育の基礎とする聖書に由来する言葉であります。そこには、他者へ目を注ぎ、その必要に答えようとする姿勢が表現されています。これは、看護の基本的な姿勢であり、牧師また教師にとっても、さらに他の様々な職業においても同様であります。

 入学式にあたり三育学院がその教育の基礎としている聖書の中から一つの言葉をご紹介したいと思います。先程副学長であり、大学付きの牧師、チャプレンである山地先生に読んでいただきました言葉です。入学式の次第に印刷されています。

 「わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです。」

 三育学院に来て、どちらを見ても山、何もない、辺鄙というような印象を抱く学生さんたちが少なからずいます。ところが卒業前には、本人にとっても予想外のことのようですが、ここを離れたくないというような感想を持つようになります。三育学院には、心が晴れないとき、声をかけてくれる友人がいます。かわいがっていたペットが亡くなったときに、クリスチャンの友人が涙を流しながら自分のために祈ってくれたと話してくれた学生がいました。それは感激であり、慰め、励まされる経験だったと思います。三育は、人と人の距離が近い学校であります。先輩から、同級生からまた教職員、こんなに声をかけられる大学はおそらくそんなに多くはないと思います。

 誰かのために何かをしようと思うとき、その人の必要を、その人の気持ちを知る必要があります。しかし人の心が何を訴えているのか、心の叫びを聞き取り、心の涙を逃さないことは簡単ではありません。

 ある作家のコラムでイギリスの詩人、スティーヴィー・スミスの作品を知りました。それは、「手を振っているんじゃない 溺れてるんだ」というタイトルの詩です。遠くから見ている者にとっては、手を振っていると思われたのですが、実際は溺れて助けを求めていた。しかし、それに気づいてくれる人がいなかったというような詩であります。その詩のインパクト、衝撃はとても大きなものでした。身近にいる人、通りがかりの人、その人たちの心の叫びや、涙に気づいているのかというとてつもない大きな問いかけでした。人の気持ちや心は目には見えない、あるいは見えにくいのです。

 友だちが、気遣ってくれる、つらいときに寄り添ってくれる経験を通して、他者を深く思うこと、見えないものに目をそそぐ意味を三育学院では授業や演習、実習と共に、キャンパスライフを通して学ぶことができます。そのような教育をわたしたちは、三育教育、また全人的教育と呼び長年にわたり受け継いできました。

 数年前に、ある後輩から次のようなメールを受け取りました。
 「今まで、経営者として当然ながら利益追求一筋でやって来ましたが、仕事を奉仕、献身の姿勢でするのは難しさのある反面、清々しいものですね。三育と出会えた事に今更ながら幸運を感じています。終末医療に従事するものとして、今こそ、三育生であることを誇りに新しい世界を切り開いて行けそうで、これからの自分が楽しみです。」

 新入生のみなさまは、学修においてもまた人との出会いにおいても様々なチャレンジが待ち受けています。しかし、是非覚えていただきたいのは、みなさんは一人ではないと言うことであります。新入生のみなさんにとって最初は知らない人ばかりに思えるかもしれません。しかし、かけがえのない友人たちとやがて出会うことでしょう。前に進めるように励まし、支えてくれる仲間がいる幸せを実感されると思います。三育学院は、そのようなすばらしい経験ができる学校です。しかし、そのすばらしさがわかってくるには、時間がかかることもあるようです。2年、3年と学ぶうちに次第にそれが身に染みてわかってくるようなわかりかたであります。そのような味わい深さをもっているのが三育学院のキャンパスライフであり教育であります。

 Do for Others、人々の幸せのために貢献できる人物、そのような志を持つ人物をこの社会は、そして世界は最も必要としているのであります。そして、人々の幸せのために奉仕するそのような人物を育成するのが三育学院の使命です。私たち教職員は、そのために全力でおひとりおひとりをサポートいたします。

 新入生そしてご家族、保護者ご友人の皆様に神の祝福を心からお祈りし、式辞といたします。

2016年 4月 4日  学長 東出克己